いざ転職活動をスタートするといっても、実際に動き始めると求人探しや面接対策など、意外と時間や手間がかかることも少なくありませんし、何から手を付けたら良いかわからないという方も多いのではないでしょうか。
特に弊社が普段お会いしている様な30代以降の方は、転職にあたっては、キャリアの方向性や家庭の事情、年収条件など、さまざまな要素を考慮する必要があります。そのため、転職活動を本格的に始める(実際に企業への応募をスタートする)前に、あらかじめ余裕を持って情報収集や準備をしておくと、より納得のいくキャリア選択につなげやすくなると思います。
そこでこの記事では、転職活動の準備ポイントをまとめてみました。
慌てることなく、自分に合ったペースで納得いく選択肢を見つけられるような転職活動を実現するために、ぜひ参考にしてみてください。
1. 転職活動の準備
なぜ転職したいのか、現職での不満を書き出してみる
転職成功の第一歩は、「転職に何を望んでいるのか」を明確にすることです。
そのために、今の職場で感じる不満をとにかく書き出してみましょう。
- どんな小さなことでもOKです
「上司との相性が悪い」「勤務地が遠くてつらい」「給与が思ったより伸びない」「仕事にやりがいを感じない」など、些細なだなと思うことでも構いません、どんどん書き出してみてください。
- 不満を可視化して解決策を探る
書き出したリストは、あなたにとって転職にあたり、譲れないポイントや、妥協可能なポイントを見極めるヒントになります。
- 転職で解決できる不満、できない不満
「上司との相性」「勤務地」などは転職先を変えれば解決しやすいですが、自分自身の考え方や働き方が原因で不満が発生している場合もあります。その場合は転職しても同じ問題が起こるかもしれません。書き出したリストを見ながら、「転職で解消できる不満」と「そうでない不満」を整理しましょう。
今までの経験を振り返り、職務経歴書を書いてみる
転職活動が本格化してから慌てるよりも、今のうちに職務経歴書のベースを作っておくとスムーズです。
- 職務経歴書のサンプルを見ながら下書きを作っておく
職務経歴書のサンプルは転職サイト等に掲載されていますので、参考にしながら下書きを作成してみましょう。
- 具体的なプロジェクトや業績を箇条書きにしてみる
「どんな仕事をしてきたか」を思いつくままに洗い出します。担当プロジェクト、役割、成果などをまとめましょう。
- 数字や実績を盛り込む
「売上を○%伸ばした」「業務効率を○%改善した」など、定量的なデータを入れることで説得力が上がります。
- 継続的にアップデート
職務経歴書は応募企業や職種に合わせて内容を調整することが多いです。基本のフォーマットを作り、必要に応じて随時アップデートしましょう。
経験上の強みを整理し、箇条書きにする
あなたが培ってきた専門的なスキルや強みなどを改めて整理してみましょう。
- 誰にも負けない(と思える)専門スキルを書き出してみる
例:「WEBマーケティング」「新規事業の立ち上げ」「プロジェクトマネジメント」など。
- マネジメントスキル(特に30代後半から40代以降の方)
マネジメント経験がなくとも「チームをまとめるのが得意」「部署間の調整役として活躍した」など、エピソードを含めて書き出すと良いです。マネジメントを行うにあたり心がけていたこと、課題やそれを解決したエピソード、マネジメントの規模なども振り返っておくと良いです。
ここで整理した強みのリストは、職務経歴書や面接時に使えるアピール材料になります。自分では当たり前と思っていることが、企業にとっては貴重なスキルかもしれませんので、しっかり言語化しておきましょう。
今後のキャリアイメージ、プランを考えて整理する
転職先を選ぶ上で、将来どんなキャリアを築きたいかを描いておくことは欠かせません。
- 今後3年、5年でどんなキャリアを築きたいか
例:「専門性を高めてスペシャリストになりたい」「幅広い業務を経験してゼネラリストを目指したい」「将来は独立・起業したい」など。
- キャリアイメージと現職とのギャップは?
今の会社でそのビジョンが叶いそうかどうか、改めて考えてみましょう。今の職場で叶うのであれば、もしかしたら転職という選択肢でなくてもよいかもしれません。転職活動をした結果、内定時に判断をしてみて、現職と転職先を比較するという手もあります。10年先となるとなかなか難しいかもしれませんが、3年〜5年ぐらいのスパンで将来のイメージを描いておくと、より良い選択肢を選ぶことができると思います。
転職にあたって譲れない条件と妥協できる条件を考える
転職は「今よりいい環境に行きたい!」という思いが先行しがちですが、すべてが叶う完璧な転職先はほぼありません。そのため、転職にあたって譲れない条件、妥協できる条件を整理しておくことはとても大切です。
- 絶対に譲れない条件
例:給与額、勤務地、休日・残業時間、職種、社内制度など。
- 妥協できる条件
「ここは少しなら我慢できる」というポイントを決めておくと、企業を選ぶ幅が広がります。
2. 転職サイトへの登録
スカウト型サイト(ビズリーチ、リクルートダイレクトスカウトなど)への登録
スカウト型サイトは、企業や転職エージェントからの直接アプローチ(スカウトメール)を受けられるのが特徴です。
代表的なサイトはビズリーチやリクルートダイレクトスカウトですので、ある程度準備が整ったら登録をしてみると良いと思います。
- 意外な企業からオファーが来るかも
自分では想定していなかった業界や職種のオファーが来る場合もあります。視野が広がるチャンスです。
- まずは1ヶ月ほど様子を見るのもアリ
どんな企業が自分に興味を持ってくれるのか観察する期間を持つと、市場価値や求められるスキルが見えてきます。登録直後1ヶ月が一番スカウトメールが届く時期ですので、この期間に来たスカウトメールや求人案内が現時点で取り得る転職先の選択肢と考えることもできると思います(後述する求人サイトや転職エージェトに登録することで更に選択肢は見つかると思いますが、転職先の事前リサーチとしては十分な情報が集まると思います。)
DODAなどの求人サイトへの登録
スカウト型のサイトと同時に、DODA、リクナビNEXT、マイナビ転職など、大手の求人サイトにも登録しておきましょう。
- 求人数が豊富
大手サイトはとにかく求人の母数が多いのが強み。新着求人をチェックするだけでも市場の動向が見えます。
- 細かい条件検索が可能
「勤務地」「年収」「業種」「職種」など条件を細かく絞れるので、譲れない条件と合致する企業を探しやすいです。
3. 転職エージェントへの登録
リクルートキャリア、パーソルキャリアなどへの登録
転職エージェントに登録すると、キャリアアドバイザーとの面談を通して自分の強みや希望条件を整理しやすくなります。
- 転職理由を再確認できる
面談では「どうして転職したいのか?」を改めて問われます。書き出した不満やキャリアイメージを客観的に見直す良い機会です。
- 転職市場のリアル情報が入手可能
希望業界の求人状況や平均年収、必要スキルなど、現時点での市場価値を客観的に知ることができます。
- 条件が高すぎる・広すぎる場合は要調整
「現実的には厳しいですね…」といったアドバイスをもらうことも。まずはリアルを知ることが大切。そこから優先順位を再確認しましょう。
スカウト型サイトからのエージェントスカウト
ビズリーチなどスカウト型サイト経由で多くの転職エージェントから声がかかることもあります。
- 専門性の高いエージェントを見つけられる
あなたのスキルや経験を必要とする業界・職種に強いエージェントからオファーが来ることがあります。
- 自分に合うエージェントを選ぶ
全員と面談するのは時間がかかるため、スカウト内容や専門分野を見極め、相性が良さそうなエージェントを優先して活用しましょう。
まとめ
転職を検討している方は、「まだ時間がある」とつい先延ばしにしてしまいがちです。しかし、転職活動には想像以上に時間と労力がかかります。特に30代以降の方は、家庭や年収など考慮すべき事項が多いため、早めの準備が成功のカギとなります。
- 現職の不満と転職理由を可視化する
- 職務経歴書や強みを整理し、キャリアビジョンを描く
- 転職サイトやスカウト型サイトに登録して市場をチェック
- 転職エージェントと面談し、客観的なアドバイスを得る
この流れを今から始めれば、余裕を持って自分に合った企業探しができるはずです。
この記事が、皆さんの転職準備の一助となれば幸いです。