「近いようで遠い?」福岡市から北九州市への通勤事情

2025.03.05

福岡の転職事情


1.はじめに
 

最近、北九州市での採用を検討したいという企業様からの相談が増えています。
北九州市は60年ぶりの人口転入超過となり、再開発を通じて街としての魅力も向上中です。首都圏の企業が進出している事例も多く、「福岡へのUIターン人材を北九州で探したい」「福岡市のスタートアップで働くような人材を北九州の拠点で採用したい」といった声をいただくことが増えました。
 

しかし、地元民の感覚としては「それはちょっと難しいのではないか」という思いが拭えません。今回は、福岡(特に福岡市近郊)に住む地元民の感覚をご説明したいと思います。


 

2.福岡市と北九州市の距離感 地図で見ると「近そう」だが…


福岡市と北九州市は直線距離でおよそ50〜60km。東京近郊で言えば鎌倉や茅ヶ崎あたりと同じくらいのイメージで、首都圏の感覚からすると「十分に通勤圏内だ」と思う方もいるでしょう。
 

しかし、九州の地元民にとっては「ちょっと遠い」というのが正直な感覚です。ここにギャップがあり、北九州市勤務の求人に応募がなかなか集まらない理由が隠れています。

 

 

3.福岡市民にとっての通勤時間の捉え方


・1時間通勤への強い抵抗感

首都圏の方には「1時間の通勤は当たり前」という考え方があるかもしれません。ですが、福岡市近郊に住む人にとっては、通勤に片道1時間かけるのは大きな心理的ハードルです。往復2時間になると、家事・育児・趣味などに割ける自由時間が大きく削られてしまいます。
 

・福岡市では職住近接が一般的

福岡市内では、自転車や徒歩で通勤する人が多く、バスや地下鉄であっても30分以内というケースが一般的です。そのため「通勤に1時間かけるなら、福岡市内で仕事を探せば良いのに」という声が出てきやすいのです。
 

ちなみに、博多駅~小倉駅間は普通電車で約1時間、特急で30分強、新幹線だと20分ほど。それだけ見ると「十分通勤できる」と思うかもしれませんが、地元民の感覚ではそれでも「遠い」と感じる人が多いのです。
 

4.福岡市の人は福岡市で働きたい


北九州市では再開発や公園整備などが進み、住環境は着実に整いつつあります。しかし、商業施設や飲食店、教育環境など総合的に考えると、福岡市の魅力が依然として大きいのも事実です。
 

全国的な“住みたい街ランキング”でも常に上位に入る福岡市は、首都圏からの移住希望者にとっても有力候補。そのうえ家族や友人が市内近郊に集まっているなら、「わざわざ北九州に引っ越す理由が見当たらない」という意見も出てきます。結果として、「仕事を探すなら福岡市内やその周辺」という発想になりがちです。
 

5.採用活動を成功させるためには


福岡市と北九州市の距離は数字上は近いように思えますが、地元民の感覚では「結構遠い」もの。ここを理解せずに「同じ福岡県内だから通勤できるでしょう」と進めると、思うように応募者を集められない可能性があります。

この点を踏まえ、「遠い」「通勤に負担が大きい」という声を埋めるための施策やサポート体制を整えることが重要です。北九州市への進出を検討している企業や首都圏から福岡県に目を向けている人事担当者にとっても、この“地元の距離感”を理解するかどうかで採用成果が左右されるでしょう。
 

ぜひ採用活動を始める前に、弊社のような地元福岡のエージェントにご相談ください。地元特有の感覚を踏まえたうえで対策を立てることで、より効果的な採用へとつなげることができます。