首都圏からのUIターン転職が注目される福岡の現状とポイント
近年、特にコロナ禍から「地方への移住」や「職住近接」といったライフスタイルへの関心が高まる中で、首都圏から福岡へのUIターン(Uターン・Iターン)を検討する方も少なくありません。また、シンプルに暮らしやすさ(リーズナブルな物価、美味しい食、温泉や自然など)を求めてという方も増えています。
一方で、実際に福岡の会社へ転職、福岡への移住を進める際には、いくつか押さえておくべき注意点があります。
本記事では福岡へのUIターン転職の現状とポイントをまとめてみたいと思います。
1. 福岡へのUIターン希望者は増えているのか、減っているのか
人口移動のデータからみる福岡市への流入傾向
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福岡市の人口増加傾向
総務省が公表している「住民基本台帳人口移動報告(令和4年)」では、福岡市は転入超過(転出よりも転入が多い状態)が続いており、特に若年層の流入が顕著とされています。また、福岡市公式ホームページの人口統計資料(福岡市統計ポータル)においても、ここ数年は毎年人口が増加しています。
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UIターン転職希望者数について
福岡に移住・転職希望をする人数そのものを公式にまとめたデータはありませんが、弊社でお手伝いさせていただいている福岡本社の企業様でもUIターンで採用されているケースは年々増えています。特にリーダー、マネジメント層やCXOクラスの採用においてはその傾向が顕著です。
また、総務省「住民基本台帳人口移動報告」や福岡市の人口増加傾向などを踏まえると、「福岡市を移住先(転職先候補)として検討する方」が少なくないことは確かと言えるでしょう。コロナ禍以降のリモートワーク普及なども、地方移住への関心を高める要因の一つとなっていると考えられています。
2. 福岡へUIターン転職する際に注意するべきこと
(1) 首都圏よりも高年収の企業が多くない
- 福岡本社の企業における年収水準
首都圏に比べると、福岡本社企業の平均年収水準はやや低い傾向があります。転職サイト各社が公表している地域別の平均年収情報(例:エン・ジャパンやdodaが公開している平均年収ランキング)を見ても、福岡の平均年収は東京・神奈川・千葉・埼玉といった首都圏に比べて総じて低めです。
そのため、転職にあたっては年収ダウンを受け入れる覚悟(全ての会社がそうなるということではありませんが、ある程度の収入の変化は想定しておいた方が良いと思います)や、入社後のキャリアパスや昇給のタイミングなどをしっかり確認しておく必要があります。
(2) 製造業の求人が少なく、IT・サービス系は豊富
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求人の多い業種・少ない業種
福岡県内、とくに福岡市内においてはIT系企業やコンサルティングファーム、SaaS関連企業、その他サービス業の求人が多い傾向にあります。一方、製造業の企業や工場は福岡市近隣のエリアや北九州、筑豊・筑後エリアに立地しているケースが多く、福岡市の中心部で製造業の求人を探すのは難しいと言えるかもしれません(一方で福岡市内で働ける求人は貴重です)。
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地元大手は40代・50代の採用事例が少ない
地元の大手企業(銀行やインフラ関連など)も採用自体は行っていますが、40代・50代の採用事例は少ないという声は良く聞きます。この1年、2年で傾向は変わってきている様に感じますが、首都圏の企業に比べると、経験豊富なベテランよりも若手を中心に採用している印象があります。一方で中堅、中小企業やスタートアップは年齢に関係なく、経験重視で即戦力採用を行っているケースが多いです。
3. 福岡で働くことの魅力と気をつけたいポイント
(1) 福岡市内の職場は天神・博多周辺が中心で職住近接が実現しやすい
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通勤時間の短縮
福岡市内は天神や博多周辺がオフィス街の中心です。市内に住む場合は、電車・自転車(チャリチャリなどのシェアサイクル)・徒歩で15〜30分程度の通勤ができるケースが多く、首都圏のように1時間以上かけて通勤するストレスが大幅に軽減されます。
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生活コストは首都圏より低いが、家賃は上昇傾向
首都圏と比べれば、福岡市(近郊含め)家賃や食費などのコストは低めと言われています。しかし、若い方に人気の中央区(天神周辺、薬院、六本松、赤坂など)では家賃が上昇している点には注意が必要で、首都圏の相場と変わらない様な物件も増えて生きています。賃貸相場を確認しながら、職住近接が叶えられるエリアの中で、自身の予算やライフスタイルに合った部屋を探すようにしましょう。
(2) 総合的な年収バランスと生活の質を考える
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給与水準と生活費のバランス
首都圏と比べると給与水準がやや低い一方で、生活費(家賃・食費など)は抑えられる場合が多いため、「実質的な可処分所得の増減」がどれほど変わるかがポイントになります。
例えば、同じ手取り年収でも家賃や光熱費が安ければ「自由に使えるお金」が増える可能性があります。逆に中心部の高騰エリアに住むと想定よりもコストがかかる場合もあるため、注意が必要です。
4. まとめ
首都圏からのUIターン転職先として福岡は魅力的です、弊社としてもとてもおすすめできる選択肢です。
一方で、年収水準や求人の特殊性(福岡市内に製造業が少ない等)などを考慮しながら情報収集を行っていく必要があると思います。特に製造業を中心とした転職を考えている方や、40代以降のミドル~シニア層で地元大手への転職を目指す方は、福岡エリアの特性を地元の転職エージェントから情報収集しておくと良いと思います。
とはいえ、通勤時間の大幅な短縮や生活コストの抑制、なんと言っても食が美味しい!市内から車で1時間ドライブすれば自然と温泉がたくさん!といった大きな魅力もあります(このあたりは改めて詳しく記事を書いてみたいと思います)。
弊社ではUIターンで福岡の企業に転職をされた方のご支援実績も多くありますので、是非気軽にご相談ください。