採用ノウハウ・採用支援
製造業の採用代行(RPO)の選び方|大手と専門特化、どう使い分ける?
2026年6月14日
はじめに
「RPO(採用代行)を頼みたいんだけど、どこがいいですか?」
採用のご相談を受けていると、よく聞かれます。最近は採用代行の事業を新たにスタートした会社も増えていて、どこを、どんな基準で選べばいいか、わかりにくいですよね。
でも、どこがいいですか? と言われても、「お客様の状況によりますし、どのポジションを、どの期間で、どの予算で採用したいかにもよります」と答える以外ないのも本音だったりします。
私は、RPO会社は「どこがいいか」より「どう使うか、どう使い分けるか」のほうが、ずっと大事だと思います。
同じ製造業でも、会社の規模、採用したいポジション、予算、フェーズによって、合う頼み方は変わります。大手のRPOがいい場合もあれば、専門特化に頼んだほうがいい場合もある。その両方を使い分けることもできます。
この記事では、どこがおすすめです、と限定は言いません(私も全部の会社を知っているわけでは無いですし)。その代わり、御社の状況だと、どういう頼み方が合っているのかを判断できるようにしたいと思います。
そもそもRPO・ダイレクトリクルーティング・スカウト代行の関係
選び方の前に、言葉の定義を整理します。RPO、DR、採用代行と言葉が乱立していて、わかりにくいので。
ざっくり言うと、こうです。
RPO(採用代行) は、採用業務の一部または全部を外部に任せること。求人要件の整理、求人票づくり、スカウト、書類選考、面接調整、内定フォローまで、採用に関わる実務まるごとが対象になり得ます。一番大きな箱だと思ってください。
ダイレクトリクルーティング(DR) は、その中の手法の一つ。求人を出して応募を待つのではなく、企業側から候補者に直接アプローチするやり方です。ビズリーチやLinkedInを使ったスカウトが代表的ですね。
スカウト代行 は、そのDRの実務(スカウトを送る作業)を代わりにやってもらうこと。返信後の対応やカジュアル面談まで含むかどうかで、料金は大きく変わることもあります。
つまり、RPOという大きな箱の中に、DRやスカウト代行が含まれているイメージです。「RPOとDR、どっちにしよう」ではなくて、「採用全体を任せたいのか、スカウトの部分だけ任せたいのか」で考えたほうが、すっきりするのではないかと思います。
RPO(採用代行)そのものについては、採用支援・RPOのサービスページでも詳しく説明しています。
大手RPOが向くケースと、専門特化が向くケース
ここが一番大事なところです。
結論から言うと、「複数のポジションでとにかく大量に採るのか、難しい少数のポジションをピンポイントに採りたいのか」で、頼むべき相手が変わります。
大手RPOが向くケース
大量採用していて、スカウトもたくさん送って、KPIを立てて、毎月振り返りができる。媒体(ビズリーチ等)とも長期で契約していて、大量にスカウトを打てる。こういう会社は、大手のRPO会社を選ぶといいと思います。
仕組みが回っているので、それを大きく・効率よく運用してくれますし、複数人で支援してくれることが多いので、大量採用に向きます。
専門特化が向くケース
一方で、こういうケースがあります。
大手で採用は回っているんだけど、「この部署の、このポジションだけ、専門性が高くて、まったく決まらない」。生産技術の特定の領域とか、製造業のDXを担えるIT人材とか。母集団もなかなか作れないし、たまに会えても見極めが難しい。
こういう「難しい一つ」は、大手の汎用的なやり方だと、こぼれ落ちやすいです。ここは、その領域を分かっている専門特化のところに任せたほうがいいと思います。
面白いのは、全部を一社に任せる必要はないということ。大半のポジションは大手RPOに任せたまま、「どうしても決まらないこの一つ」だけを切り出して、専門特化に依頼する。こういう頼み方もできます。
スタートアップや中小企業は、成功報酬という選び方もある
ここまでは「大量か、難しい少数か」という軸でしたが、もう一つ、会社のフェーズや予算による選び方があります。
スタートアップや中小企業で、採用にそんなにお金はかけられない。でも採用は失敗できない。こういうケースは多いと思います。
そういうときは、成功報酬型を選ぶのも一つの手だったりします。月額の固定費がかからず、採用が決まったときにだけ費用が発生するので、決まらないうちに費用だけかさむ、ということが起きにくい。手元の資金が限られている会社にとっては、リスクを抑えやすい頼み方です。
もちろん、成功報酬型がいつでも一番いい、という話ではありません。たくさん採るなら月額固定のほうが結果的に安くつくこともあります。ここも、自社の状況次第で選ぶと良いと思います。
スカウトから面談までの仕事は、簡単そうに見えて奥が深い
RPOやスカウト代行を選ぶときに見落とされやすいことがあります。
スカウトを送って、返信が来て、面談する。この一連の流れ、字で書くと簡単そうに見えるんですよね。だから「自社でもできそう」「誰がやっても同じ」と思われがちです。
でも、実際にやってみると、けっこう専門性が要る仕事だったりします。
候補者の経歴を見て、本当に合う人かどうかを見立てる。スカウト文で、その人に「会ってみよう」と思ってもらう。面談で、その会社で働く魅力をちゃんと伝えて、動機づけする。このあたりは、候補者対応の経験の差が出ます。
もちろん、専門性がなくてもできることはあります。ただ、あったほうが、スカウトの返信率、面談からの応募率は変わると思います。
ここは、選ぶときの一つの見極めポイントになると思います。スカウトの「作業」を代わりにやるだけなのか、業界や職種の専門性、候補者対応の経験を活かして、動機づけまで含めてやってくれるのか。同じ「スカウト代行」でも、中身はかなり違います。
スカウト・ダイレクトリクルーティングの進め方については、ダイレクトリクルーティング支援のサービスページもあわせてご覧ください。
要件定義をどこまで丁寧にやるか
もう一つ大事なのが、求人の要件定義です。
「どんな人が欲しいか」を決める作業ですね。ここが曖昧なまま走り出すと、スカウトもぶれるし、面談しても「思っていたのと違う」が起きやすい。
特に製造業の専門職は、要件を細かく詰める必要があることが多いです。同じ「生産技術」でも、会社や製品によって求めるものはぜんぜん違う。ここを丁寧にすり合わせられるかどうかで、結果が変わってきます。
要件定義から一緒にやってくれるか、それとも「要件はそちらで決めてください」というスタンスか。これも、頼む相手を選ぶときに見ておくといいところだと思います。
実際にあった話
少し具体的な例を挙げます。
ある大手製造業で、いくつかのポジションがどうしても決まらない、ということがありました。大手のRPO会社が一括で採用支援をしていたのですが、そのポジションだけは半年やって、決定がゼロ。現場からのニーズも高く、採用しなければならない人数も多かった。
そこで、そのポジションだけを切り出して、私たちにご依頼いただきました。
結果として、開始から2ヶ月で、最終面接まで進んだ方が2人。その他にも、選考中の候補者が複数、という状況になりました。
何が違ったのか。大手のやり方が悪いわけではないんです。ただ、その難しいポジションは、専門性の高い領域で、要件の詰め方やスカウトの当て方に、その分野ならではのコツが要りました。そこに集中して取り組めたのが、うまくいった要因だと思います。
※何をやったかというと基本行動を徹底しただけであって、特に奇をてらったことをやった訳ではありません。
この例で言いたいのは、「全部を一社に任せなくていい」ということです。大半のポジションは大手RPOに任せて、決まらない一つだけを専門特化に出す。こういう使い分けもできたりします。
まとめ:自社の状況で、使い分ける
長くなったので、整理します。
- 複数ポジションを大量に採る → 大手RPOが向いている
- 難しい少数のポジションを採る → 専門特化が向いている
- 予算が限られていて失敗できない → 成功報酬型も選択肢になる
- スカウト〜面談の見立て・動機づけ、要件定義の丁寧さ → 頼む相手で差が出るポイント
そして、全部を一社に任せる必要はありません。職種やポジションごとに、合うところを使い分けていい。「ここは大手、この難しい一つは専門特化」という分け方も良いと思います。
「RPO会社、どこがいいですか?」の答えは、結局「御社の状況によります」になります。だからこそ、まず自社の状況を整理してみることをおすすめします。どのポジションを、どの期間で、どの予算で、どれくらいの難しさで採りたいのか。それが見えると、頼むべき相手も見えてきます。
さいごに
フレイズは、製造業・メーカーの採用支援をしている会社です。どちらかというと、ここまで書いてきた「難しいポジション」を依頼いただくことが多いです。人材紹介でも、RPO、スカウト代行でも。
ただ、この記事で一番お伝えしたかったのは、フレイズを使ってください、ということではありません。RPOは、使い方しだいで効きも変わるので、まず自社に合う頼み方を見つけてもらえたら、と思って書きました。
もし、どう整理すればいいか迷ったら、相談だけでも歓迎です。御社の状況をうかがって、そもそもどういう頼み方が合いそうか、一緒に考えることもできます。