ホーム / ブログ / 元エージェントが教える、人材紹介会社を「味方につける企業」の共通点

採用ノウハウ・採用支援

元エージェントが教える、人材紹介会社を「味方につける企業」の共通点

2026年4月3日

「エージェントからの紹介が少ない」「推薦の質がいまひとつで、書類選考に時間ばかり取られる」

こうした悩みを抱えている企業は多いのではないかと思います。

私はリクルートやパーソルキャリアで約20年、人材紹介エージェントとして企業と候補者の間に立ってきました。 今はフレイズという会社で、人材紹介だけでなく、企業の採用支援も行っています。

エージェントの「中の人」だった立場と、今の企業側の立場、その両方を経験したからこそ、書ける内容を書きたいと思います。

先に結論を言うと、エージェントの活用がうまくいっている企業は、「エージェントと仲良くしている」わけでも「下手に出ている」わけでもありません。やっていることはもっとシンプルです。

エージェントの担当者は30〜50社を同時に抱えている

まず、エージェント側の事情を知っていただくと良いと思います。

大手の人材紹介会社の場合、一人の担当者が30〜50社の求人を同時に受け持っているケースがあります。率直に言えば、管理しきれていません。すべての企業に均等に時間を使うことは物理的に不可能で、どうしても優先順位がつきます。

では、何で優先順位が決まるか。

担当者が「この企業を優先しよう」と思う判断基準は、大きく3つあります。

「決まる」という手応えがあるかどうか。 書類選考の結果が早い、面接の日程がすぐ決まる、内定後のクロージングがスムーズ。こういう企業は推薦してから結果が出るまでのサイクルが短く、エージェントの法人担当にとっては「決まりやすい、注力案件」です。

情報をもらえるかどうか。 求人票を渡して終わりではなく、事業の方向性や組織の課題感、選考で何を見ているかまで共有してくれる企業は、推薦の精度を上げやすい。結果として決定率が上がるので、担当者も自然と優先するようになります。

自分が入り込める余地があるかどうか。 他のエージェントがすでに深く入り込んでいる企業より、まだ開拓の余地がある企業のほうが担当者としては動きやすい。過去の決定実績がなくても、「この企業の人事担当者が変わった」というだけで「この人となら決められるかもしれない」と感じてスイッチが入ることもあります。

逆に言えば、「よくわからない企業」「担当者と話が噛み合わない企業」「出しても結果が返ってこない企業」は、悪意なく後回しにされます。構造的にそうなってしまいますね(良くないことですが)。

推薦の質が悪いとき、エージェントのKPIを聞いてみる

的外れな推薦が大量に送られてくるケースは多いと思います。 そのときはまず確認したいことがあります。そのエージェントの担当者のKPIが「推薦数」になっていないかという点です。

エージェントのKPIは基本的には売上、つまり決定数です。ただ、組織によっては書類選考通過率や推薦数がKPIに設定されていることもあります。推薦数がKPIになっている担当者は、質よりも数を優先する傾向が出やすい。

これは担当者個人の問題というより、組織の仕組みの問題です。

もし「量は来るけど質が伴わない」と感じたら、率直に聞いてみるのもひとつの手です。

そのうえで、「推薦はどんどん出してもらっていいので、特におすすめの候補者には★をつけてもらえませんか」と企業側から仕組みを提案する。こうした歩み寄りが、推薦の質を変えるきっかけになったりします。

「フィードバック」の質が、次の推薦の精度を決める

エージェントの活用でもうひとつ差がつくのが、選考後のフィードバックの出し方です。

不合格の理由が「スキル不足」の一言だけだったり、「他の候補者と比較して」としか書かれていなかったりすると、正直なところ、次にどんな人を推薦すればいいのか見当がつきません。

一方で、こんなフィードバックをくれる企業があります。

「今回は○○の経験が足りなかったけど、年齢が高くてもこの領域の経験があれば通せそう。現場もそう言っているので、探してみてくれませんか」

これだけで、エージェント側の次のアクションが明確になります。ターゲットの解像度が上がるので、推薦の精度も上がる。 決定までの時間が短くなり、企業にとっても効率的です。

もうひとつ、意外と効果があるのが感情面のコミュニケーションです。

「いつも良い人を出してくれるのに、今回は通せなくてごめんね」——こんなひと言があるだけで、エージェント側の気持ちは変わる。エージェントも人間ですから、「この企業のために頑張ろう」と思えるかどうかは、こうした日常のやり取りの積み重ね次第だったりします。

企業側から動くことで、エージェントとの関係は変えられる

ここまで書いてきたことをまとめると、エージェントの活用がうまくいっている企業がやっていることは、大きく3つに集約されます。

情報を自分から渡す。 売り手市場の今、エージェントにも求人は溢れています。待っているだけでは埋もれます。求人票だけでなく、事業のフェーズや組織の雰囲気、選考で見ているポイントまで共有する。定例の打ち合わせを設けて、関係を途切れさせない。

「うちは決まる」と伝える。 頑張ってくれれば成果でお返しする、ということを素直に伝えるだけでもエージェントの動きは変わります。大量採用している企業であれば、エージェント向けの表彰制度を設けたり、食事会で自社の経営幹部に会ってもらうのも効果的。エージェントの自社理解が深まることで、推薦の質も変わってきます。

合わないエージェントには見切りをつける。 情報提供をしっかりやったうえで、的外れな推薦が続くなら担当変更を依頼する。それでも改善しなければ、付き合いの優先度を下げてよいと思います。辞退が続くのにフィードバックも改善策もないエージェントも同様です。企業側も選考に時間を使っているわけですから。

一方で、数は少なくても質の高い推薦をしてくれるエージェントは大事にしてください。年に1名の決定でも、重要なポジションを確実に埋めてくれる人は、手間がかからず最も価値がある。

加えて、先回りして情報をくれたり、「どうやったら決まるか」を一緒に考えてくれるタイプのエージェント(主に両面担当のエージェントや領域特化、ベテランのエージェントですね)も大事にしていただけると良いです。

大手エージェントは母集団の形成力という面では貴重ですが、担当者によって質の差が大きいのも事実です。「大手だから安心」ではなく、あくまで担当者単位で見極めるということも大事です。

エージェントの活用に課題を感じている方へ

エージェントとの付き合い方は、担当者との「相性」や「運」で語られがちですが、実際にはエージェントを理解して企業側のアクションを変えれば、関係も成果も改善できるケースが多いです。

フレイズでは、エージェントマネジメントを含む採用支援を行っています。「今のエージェントの使い方を見直したい」「そもそもどのエージェントと付き合えばいいかわからない」といったご相談も歓迎です。

採用・キャリアのご相談はこちら